PURPOSE

目的

ご挨拶
細胞再生医療研究会代表世話人 宮川 繁
 細胞再生医療研究会は2011年に市橋正光先生、西川伸一先生により立ち上げられ、これまで10回の研究会が行われてまいりました。本研究会を精力的に牽引されてきた市橋先生は再生医療を次世代に引き継ぐ必要があり、本会もバトンタッチが必要であるとお考えになり、私が謹んで代表世話人をお引き受けいたしました。 コロナ禍のため開催が3年間中止されていましたが、市橋先生、西方先生、世話人の先生方のご協力を得まして、研究会を再開させていただきました。

 再生医療が日本で研究されはじめてから20数年たち、日本が世界に先駆けて制定した早期承認制度も9年がたとうとしております。しかし、世界を先導していたはずが、欧米のほうが再生医療等製品が多く生まれ、日本のお家芸であった本領域における日本の立場が危うくなってきていることを実感しております。こういった兆候を打破すべく、これまでの再生医療の流れを大きく変換し、世界がまだ到達していない領域まで、日本の再生医療が発達していくことを願っています。その一つの旗頭として本会がその役割を担えるように、全力を尽くす所存でございますので、皆様何卒よろしくお願い申し上げます。また、これまでの細胞を用いた典型的な再生医療のみならず、様々な新規技術を取り入れながら、再生医療の新しい時代を創造していく会として本会が成長していくよう、何卒本会にご尽力いただければ幸いです。


2011年、研究会設立当時の趣意書
 医学・医療は大きな方向転換の時代を迎えている。近代医学の発展は素晴らしく、感染症の制御・予防により乳幼児の死亡が激減した先進国では平均寿命が飛躍的に高くなっている。しかしながら、一方では高齢社会となった日本では加齢に伴って発症する多くに疾患の治療に多大の費用が必要であり医療全体の視点から国を挙げての問題となっている。最近では、加齢により発症する生活習慣病を予防する観点から、抗加齢医療、つまり予防医学を施すことにより、それら疾患の発症を遅延ないしは防止することが新たな潮流となってきている。しかし、すでに老化した組織の治療は予防では治せない。そこで注目されるのが薬ではなく細胞を用いた再生医療である。

 すでに、日本再生医療学会は2011年には第10回年次総会を東京で、また。日本抗加齢学会は同年第11回年次大会総会を京都でそれぞれ開催する。

 私どもは細胞を用いた新しい医療の将来に大きな希望と期待を抱いている。そこで、積極的に細胞医療を促進発展させる目的で、今回「細胞再生医療研究会」を立ち上げることとなった。急速に発展する再生医療分野の中でも、特に皮膚細胞と組織をターゲットとし、病的あるいは老化症状を呈する皮膚を、機能的に若い細胞を用い再生を図る。活性化された細胞を皮膚に注入するだけではなく、注入された細胞の持つ機能を in vivo で高める施術の新しい展開が強く望まれる。それには、細胞のエネルギー代謝に関係した物質の効果を追求することが重要と考えられる。それと並行しながら、皮膚以外の臓器の細胞の再生を目的とした基礎研究および臨床応用に役立つ情報を発信することを目的とする。

 そのため、具体的には、毎年学術セミナーを開催し、再生分野の最先端で活躍している基礎的および臨床的研究者及び再生医療に興味を抱き研究を実施している多くの研究者に最新情報を発表いただき、十分な討論を通して、有意義な意見交換の場を提供する。また、再生医療に興味を抱き積極的に参加いただく臨床家や研究者に最先端の知識と情報を提供する。

 本研究会を設立することにより皮膚関連領域だけではなく広くすべての臓器に関連した再生医療の発展に寄与できると期待している。


平成23年6月吉日


細胞再生医療研究会
世話人代表 市橋 正光(当時)

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